首から上でお困りのことがあれば耳鼻科でご相談ください!
小学校や中学校では「学校健診」がありますが、幼稚園や保育園ではそういった機会が等しく設けられていません。ただし、耳や鼻やのどでいえば就学前のお子さんのほうが「健診」を受けられた方がいいのではないかと思っています。
それは就学前のお子さんは症状をうまく表現することが難しく、特に耳の病気は小学生以上のお子さん以上になりやすいからです。
そんな想いから就学前のお子さんがおられる保護者の方の心配の解消や病気の早期発見により、より健やかにお子さんが成長されることを願って、この「園児さんの耳鼻のど健診サイト」を開設しました。
「病気なのか?クセなのか?」「こういうことはどこで相談したらいいのか?」など普段診察をしていても保護者の方のお悩みは様々です。このサイトがお子さんの健やかな成長の一助になりましたら、これほどうれしいことはありません。
園児さんは鼻水が出てもうまくかめず、いろんな耳鼻科の病気になりやすいです。
また症状をうまく表現できず、耳や鼻がらみで保護者の方が悩まれることも多々あります。
ここではお子さんならではの耳鼻科の病気を「耳鼻科での健診」で早く見つける意義についてご説明いたします。
「園児さんの健診」では耳や鼻やのどをチェックしていきます。
耳鼻科では「耳・鼻・のど」というのは連携しているので、「耳だけ」というのではなく「耳やのど」と言う視点で病状を考える必要があることがよくあります。
例えばお子さんで保護者の方の相談として「言葉が不明瞭」というのがあります。
これは「聞こえ」や「発語」いずれかに問題があっても起こりえます。
そうすると聞こえの神経が問題となる難聴や中耳炎がなくても舌小帯短縮と言ったのどに問題があるだけでも症状となるのです。
このように、「耳・鼻・のどの健診」を行うことで見つかる病気があるため、園児さんにとって、重要な健診と考えています。
耳は聞こえだけでなく、その形状についても診ていきます。なかには「先天性真珠腫(しんじゅしゅ)」というような生まれつきのできものが耳の中にあったりします。また耳の周りに「耳瘻孔」といって小さな穴がありそこからオカラみたいなものが出てきて臭い・・・といったご相談もあります。
ですので「聞こえ」だけではなく、「耳の形が変」とか「耳あかが臭い」といった、「耳の周りに関すること」もここでは含まれると考えていただくのがいいと思います。
受診されたらまず耳あかを取り除いて耳の一番奥にある薄い膜の「鼓膜(こまく)」を確認します。ここで大事なのは、やっかいな「痛くないけど聞こえが悪い」滲出性(しんしゅつせい)中耳炎がないか確認することです。
お子さんは目と並んで重要な耳からの情報(音や言葉)を得て発育していきます。そこで聞こえが悪いというのは重大な損失です。特に片方の耳だけ中耳炎がある場合、もう片方のいい方の耳から聞こえるため家族も難聴に気づかないです。
小学校の検診で「耳あか」を指摘するのも「耳あかのせいで中耳炎があるかわからないので、耳鼻科を受診して下さい」ということなのです。
たかが耳あかされど耳あか。家で耳あかは取れません。お子さんの耳あかを無理に取ろうとすると奥に押し込んだり耳の壁を傷つけて耳がとても痛くなったりひどい場合には耳から出血したりします。
これは綿棒だけでなく竹の耳かきでもスパイラルの耳かきでも照明付きの耳かきでも同じです。ちなみに…押し込まれた耳垢を痛くならないように取るのは耳鼻科のお医者さんにとっても至難の業です。とにかく家では耳を掃除しないようにしましょう。
耳あかをとったら、耳の中(外耳道)に小さな穴がないか、耳の奥の鼓膜(こまく)を確認して鼓膜という薄い膜に穴があいて中耳炎になっていないか診ていきます。そして鼓膜に穴があいていたり、鼓膜の動きが悪くなければさらに耳の奥の中耳腔(ちゅうじくう)を診ていきます。
そこに液体がたまっている病気がないか、鼓膜がへこみすぎて病気になっていないか、液体がたまっていれば質の悪い液体ではないかなど、色々な病気の可能性があります。
鼻は鼻水が奥に詰まっていないか鼻炎がないか診ていきます。鼻炎があれば気温差や遠足や運動会といった外部環境の変化に反応して鼻水・鼻づまり・くしゃみ・鼻声、こういった事は起こります。鼻カゼではありません。
意外かもしれませんが、スギ花粉症が有名な「アレルギー性鼻炎」は1歳から起こりえます。
ご不安な方は1歳から指先にスタンプするだけで41種類の食べ物や花粉がチェックできるアレルギー検査を受けることをお勧めします。
また鼻水が黄色かったりすると、なお鼻の状態が悪いと判断します。その場合、鼻と耳は耳管(じかん)という管でつながっており、黄色い鼻水が出ているせいで耳まで病気になっていることがあるので、たかが鼻水と軽視しない方がいいです。
のどは滑舌(かつぜつ)が悪い、寝ているときに息が止まっている、いびきがひどい、声がかすれているといった保護者の方が判断に苦しむ症状が多いです。特に睡眠時の無呼吸については大人以上に心身に重大な影響があることがわかっています。
お子さんの睡眠時無呼吸は、落ち着きがないとか、多動傾向があるとか、キレやすいとか、おねしょが続くとか、学力不振といった非常に保護者の方が悩まれる生活状況に関与している場合があります。
「アレルギー」
アレルギー反応というのは自分と他人を区別する反応ですので、お子さんのころから起こることがあります。早ければ1才からアレルギー検査で陽性になることもあります。
アレルギー反応を防ぐには、防げないものについては飲み薬や点鼻薬(鼻にさすスプレー)や点眼薬(目薬)が、防げるものについてはアレルギーになる物質を特定してそれを体内に取り込まないようにすることになります。
アレルギー反応を防げないものとしてはハウスダストや花粉があります。そしてアレルギー反応を防げるものとしては食べ物があります。これらはアレルギー反応がおこす物質「アレルゲン」に陽性になるかどうかを調べないと対策が立てれません。
小さいお子さんにおいては採血の時点でうまくいかないことがありますが、当院では指先からのスタンプでやりますので採血は問題ありません。
さらに30分で食べ物22種類・ハウスダストや花粉19種類が判定できます。1才児から保険診療で可能ですので、ご興味のある保護者の方は「30分で41種類がわかるアレルギー検査」をご覧ください!
このような病気が考えられます
このような病気が考えられます
目安はお子さんが幼稚園や保育園に行くタイミングがいいと思います。特に3才以下で園に行く場合にはお互いに風邪をうつしあったりして聞こえにくい中耳炎が起こっていたりすることもあるので耳掃除のついでに中耳炎のチェックはぜひ受けるべきです。
未就学児のお子さんであれば知らないうちに聞こえにくい中耳炎になっていたり耳垢が溜まっている可能性があります。聞こえにくさ自体が健やかな成長の妨げになるのでいちど今のタイミングで受診されることをお勧めします。
片耳だけ聞こえにくい中耳炎があったりしてももう片方でよく聞こえるのでおうちの方には全く中耳炎があるとわかりません。鼻に関しても実はアレルギー性鼻炎だった…と言うこともあったりします。耳掃除も兼ねていちど耳鼻科を受診することをお勧めします。
食物アレルギーであれば幼稚園や保育園や小学校での給食が始まる前にわかっている方が良いです。当院の注射をしない30分でわかるアレルギー検査では食べ物が22種類ハウスダストや花粉が19種類指にスタンプをするだけで注射をせずにあります。特に食物アレルギーが不安な保護者の方はぜひいちどこの検査をお子さんに受けていただくことをお勧めします。
耳そうじだけの受診は問題ありません。むしろ耳あかがあると耳の奥が見えず、中耳炎があっても見つけることができません。特に園児さんにおいては耳あかたはたまりやすいのです。耳そうじは定期的に3か月に一度くらいのペースで耳鼻科で受けることをお勧めします。
やわらかい耳あかの場合が多いのですが、中耳炎になっていて耳だれが出ていることが小さいお子さんではあり得ます。一度耳鼻科で耳のチェックを受けてみましょう。
鼻水が耳の病気の原因になっていたりすることもありますし、鼻水の原因がアレルギー性鼻炎であれば、治療をすれば鼻水はコントロールできます。まず何が原因なのか耳鼻科で相談してみましょう。
扁桃腺が大きいだけでなく、他の症状があるかが問題です。「食べるのが遅い」「小柄」「いびきがひどい」「寝ている時に息が止まる」といった症状があれば早めに耳鼻科で相談することをお勧めします。