耳鼻科 岡山県岡山市南区のみやはら耳鼻咽喉科

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こんな心配・お悩みはありませんか?

耳そうじにお悩みの方はたくさんおられます。
そして、耳そうじをしすぎて外耳炎になって耳が痛すぎて受診されたり、耳あかを奥に押し込んで突発性難聴?と心配して受診される方がおられたりと「耳そうじ」にまつわる受診エピソードには事欠きません。
「耳あかをとっておくのはエチケット」と考えられている方がとても多いので、診察では「耳あか」の意味や「耳そうじ」の意義について詳しく説明することが多いのです。こういった話を患者さんに広く理解していただければとこのサイトを立ち上げてみました。「耳そうじ」についていろんな角度から理解していただければ幸いです。

こんな心配・お悩みはありませんか?
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耳そうじはしたほうがいい? 年代別症例解説

結論から言えば、耳そうじは耳鼻科で行うのがよいです。その理由を、年代別の症例ごとに解説していきましょう。 結論から言えば、耳そうじは耳鼻科で行うのがよいです。その理由を、年代別の症例ごとに解説していきましょう。

耳あかについて 耳あかについて

まず耳そうじをしたくなる原因である「耳あか」について。なぜ耳あかはたまるのか?それは要らなくなった細胞がはがれて出ていく、耳の壁(外耳道)を守るためといった理由がありますが、耳あかは耳の穴の真ん中より手前ではだんだん耳の穴の方に動いていきます。しかし耳の穴の真ん中より奥に押し込んでしまうともう自力では出すことができません。そのため、「耳そうじをまめにしている」方ほど耳あかがつまったりしています。耳あかがつまりすぎると、「難聴」を感じる方もいます。「耳あか」にも「とるべき」耳あかと「とらない方がいい」耳あかがあるのです。これを判断するには顕微鏡で詳しく耳の中を見る必要があります。

赤ちゃん 赤ちゃん

この方は2か月前に耳そうじを当院で受けていただいているにも関わらずこれだけたまっています。しかも赤ちゃんなので耳の穴(外耳道)は細いので耳あかがつまるとせっかくの成長期なのに聞こえにくくて耳からの情報が十分に入ってきません。もちろん細い耳の穴ですし、じっとしていてくれる訳でもないので家で耳そうじすれば奥に押し込むだけです。出産時に「沐浴(もくよく)後に耳そうじという話があったかもしれませんが、それは「水滴」をとるだけです。水滴は正常な耳であれば耳の奥にある鼓膜(こまく)という薄い膜の手前でブロックされますので、耳の奥にいって害をなすことはありません。そんな訳で水滴は放っておけば蒸発しますので、とる必要はありません。

保育園児の方 保育園児の方

この年代の方はどんどん背が伸びるので、いらない細胞が耳あかとしてどんどん出ます。しかもパワーがあるので家で耳そうじをしようとすると、耳あかを押し込むだけでなく、外耳道に傷をつけてすごく痛くなったり、出血したりすることがあります。さらには耳の奥の鼓膜を傷つけて穴をあけたりすることもあります。

幼稚園児の方 幼稚園児の方

この耳あかは時間がたっており、まさに「カチカチ」で耳栓のようになっています。ここまでのボリュームと固さがあると「聞こえにくさ」にもつながります。お家でこの耳あかをとろうとすると間違いなく奥に押し込んでしまいます。さらに耳鼻科で耳あかを除去する際にも固い耳あかを引き出すときに外耳道にこすれて痛くなったりしないよう細心の注意が必要になってきます。

未就学児は滲出性中耳炎に気を付けてください! 未就学児は滲出性中耳炎に気を付けてください!

また、未就学児の方は滲出性中耳炎になりやすく、この中耳炎になると聞こえが悪くなります。両耳ともこの中耳炎になっていればテレビの音が大きいとか聞き返しが目立つといった症状で保護者の方が気づけます。しかし、片耳だけこの中耳炎ですともう片方の聞こえのいい耳で会話をできるので、お子さん自体は耳が痛い訳でもないので、難聴が気にならず、難聴に誰も気づけません。ちなみにお家で耳そうじをしてもさらに耳の奥にある鼓膜(こまく)は見えません。ですので耳そうじをしても中耳炎があるかどうかはわからないのです。そのため小さいお子さんにおいては3か月に一度程度「耳そうじ」を耳鼻科で受けて滲出性中耳炎がないか確認していくのも非常に大切です。

小学生の方 小学生の方

耳あかは新陳代謝が活発なお子さんにおいてはたまりやすくそれは小学生でも同様です。小学生の方もこのようにしっかり耳あかがたまります。大人の方だけでなく小学生や中学生の方も耳そうじをしすぎて耳が痛くて受診と言う方はちょくちょくおられるのです。耳そうじをしなければ痛くなるのを防げるだけでなく耳そうじをしたがために耳がかゆくなる悪循環も防げます。家では耳そうじはせずに長期休み毎ぐらいに耳鼻科で耳そうじを受けることをお勧めします。

大人の方 大人の方

もちろん大人の方もこのように耳あかがたまります。特に耳そうじをしているとこのように「しっかりたまる」ことになります。また大人の方の場合より入念にご自身で耳そうじをしていて外耳炎が慢性化し、受診していただいても結構な日数が治るのにかかったりすることがしばしばあります。金属製や竹の耳かきはもちろんのこと綿棒もしっかり外耳道に傷を作りますので、とにかく耳そうじはしないことをおすすめします。大人の方は耳あかが気になれば受診して耳そうじを受ける程度で良いと思います。そうは言ってもエチケット上非常に耳の中が気になる方は多く、4ヶ月位のうちに受診されてはどうでしょうかと話しております。

年配の方 年配の方

年代が上がってくると、耳あかの管理はより重要です。難聴があると認知症になりやすいと言うデータがありますが逆に言うと耳あかがあれば聞こえにくいので結果的に耳あかの管理をきちんとしていれば認知症になるリスクを下げれるといえます。特に新陳代謝が緩やかになり耳あかがたまりやすいのは年代の方の特徴です。「耳そうじを家でしない」だけではなく、4か月以内に一度位の受診をして耳鼻科で耳の管理を受けていただくことを強くお勧めしたいです。

とにかく、お家で「耳そうじ」はしない! とにかく、お家で「耳そうじ」はしない!

なお、耳の奥は鼓膜という薄い膜で覆われていて、プールで泳いだり髪を洗うときに耳に水がはいっても放っておけば水は蒸発します。ですので、プールから上がったりお風呂から出たときに綿棒で耳そうじをする必要はありません。むしろ綿棒で耳そうじをすると傷ができると外耳炎傷が治る時に耳がかゆくなってまた耳そうじをしたくなったりします。傷の程度がひどいと痛くて眠れなくなったり、熱が出たりすることすらあります。これは竹や金属の耳かきでも同様で、むしろ綿棒以上に傷をつけやすかったり、お子さんが耳そうじ中にとびついてきて鼓膜に穴があいて外傷性鼓膜穿孔になって難聴になったり緊急に入院したり手術をしたりしなければいけないことすらあります。とにかく「耳そうじ」はしない。耳そうじしたくなったら耳鼻科で耳そうじを中耳炎(大人の方でもなっていることがあります)のチェックも兼ねて受けることをお勧めします

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耳そうじで耳あか以外に取れる物

なお、耳そうじを耳鼻科でお勧めするのは耳の中にあるのは「耳あか」だけではないからです

これは耳に違和感があり綿棒で掃除をしたら汁が出てきたということで受診された方です。
昆虫が出てきました。。。

さらに耳がふさがった感じがするということで来られた方です。
これまた昆虫が出てきました。

これらは大人の方ですが、お子さんでもおこります。お子さんが耳そうじを希望して受診されたところ昆虫が出てきました。

昆虫でも強烈なものはすごいです。血まみれの耳に虫がいるなと思ってピンセットでつまみ出したら、普通に大きいゴキブリが出てきました。。。

お子さんにおいてはもっと意外性のあるビーズが入っていたりすることもあります。

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耳そうじで活躍する道具たち

そして耳鼻科のテクニック!鑷子(せっし:ピンセットのような器具)や鉗子(かんし:鑷子よりももっと細かい操作ができる器具)やフック(ひっかけてつまみ出す器具)やピック(先が補足湾曲するようにとんがってほじくったりするのに使う器具)といったいろんな道具を使います。この道具たちを動画にてご紹介します。耳鼻科では耳そうじに綿棒や耳かきは使いません。

以上耳そうじについてご覧いただきました。耳の中が気になったら耳鼻科受診をお勧めします!

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よくある質問

耳掃除はどうしたらいいのでしょうか?

見えない状態で触ることになるので(これは家族の耳に関しても)耳の中を傷つけるか耳垢を奥に押し込むか、いずれにしても良いことにはなりません。耳掃除はやめましょう。大人の方は背が伸びないので耳垢が溜まるスピードと出すスピードはほとんど同じです。ただし、時には溜まることもあるのでほったらかしにしておいて気になったら耳鼻科に受診して耳掃除を受けるようにしてください。

耳掃除はどれぐらいにいっぺん受けに行ったら良いのでしょうか?

未就学児のお子さんであれば3ヶ月にいっぺん位、小学生以上の方は年に数回位で良いと思います。ただしこれは1つの目安で背がどんどん伸びる時期であれば中学生でもすごい溜まる場合もあります。また体質的に耳垢が溜まりやすい方は月に1回通院している方もおられます。耳鼻科でどれぐらいにいっぺん自分は耳掃除に通ったら良いのか聞いてみられるのが良いと思います。

お風呂の後で耳に水が入る感じがすごい気になります。

溜まった水がほっておいたら蒸発します。ただし耳の奥の縁にたまっていることもありますのでそこを自分で取ろうとするとその側にある鼓膜に確実に傷をつけます。気になったら耳鼻科で相談することをおすすめします。

一番傷がつきにくい耳かきってどんなものがオススメでしょうか?

綿棒にせよスパイラル式の耳かきにせよ見えない状態で耳の中を触るので触った時点で傷がつきます。ですのでお勧めできる耳かきはありません。

赤ちゃんの息子の耳をにおうと臭いのですが・・・

赤ちゃんはいい匂いがしますが耳は別です。耳あかはいい匂いがしません。また中耳炎があったり耳掃除の傷が化膿して臭いを発することもあります。耳はにおわなくていいのですが気になるようであれば耳の中がどうなっているのか確認してもらうために耳鼻科の受診をお勧めします。

耳そうじをしたせいか耳が塞がった感じがして聞こえにくいです。
早めに受診した方が良いのでしょうか?

耳あかが原因の可能性があります。ただしときに低音障害型難聴の可能性もあります。もしこの難聴であれば早く治療しないとこの状態が固定してしまう危険があります。放っておかずに耳鼻科を受診することをお勧めします。

耳そうじをしないと耳がかゆくて我慢できません。

これは耳掃除により耳に傷がつき外耳炎になっている可能性が高いです。かゆいからといって耳そうじをすればするほどよりかゆくなります。ひどい場合には血が耳から出たり痛くて眠れなくなったり、熱が出たりする場合もあります。自分で耳を掃除するのはやめて耳鼻科で治療を受けることをお勧めします。

柔らかい耳あかで耳掃除がうまくできず悩んでいます。

カサカサの耳あかの人が多いのですが、柔らかい耳あかの方も異常ではありません。ただし耳そうじをするとまず間違いなく奥に押し込んで最終的には聞こえにくくなってきます。もちろん耳あかを取り除けば聞こえは元に戻ります。ご自身では耳を触らず、耳鼻科で耳そうじを受けましょう。

片方の耳だけ頭を振ったりする時にコトコト音がしてとてもうっとおしくて困ってます。

耳あかだけでなく特に男性に多いのですが、髪の毛が耳の奥の鼓膜に接触して起こっていることもあります。髪の毛はたわみますので、耳かきや綿棒では取れません。耳鼻科で相談することをお勧めします。

プールに入ってから耳から水がぬけません。

耳あかが水を吸って膨張(ぼうちょう)していたり、鼓膜の縁(ふち)に水滴が残っている場合があります。水滴が残っている場合、綿棒で水を吸わせようと耳の奥まで綿棒を入れた際に誤って鼓膜を破ったり、当たり所が悪いとめまいや難聴を起こす外傷性鼓膜穿孔になることがあります。絶対にご自身で水滴を取ろうとはしないでください。

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院長あいさつ

患者さんで耳掃除についてお悩みの方は大変多いです。これは「どういう風に耳掃除をしたら良いのか?」と言うこともありますが耳掃除をしすぎて外耳炎になり痛くて眠れなくなったり、耳垢を耳の奥に押し込んで「急に耳が聞こえなくなったので突発性難聴でしょうか?」と心配してこられたりと言うことも含まれます。また耳掃除をしたがために耳の中が荒れて繰り返しかゆくなり悪循環に苦しんでいる方もおられます。ひどい場合には耳の奥の鼓膜(こまく)と言う薄い膜を傷つけたりしていたり、クリニックでは手に負えず病院で治療を受けないといけない状態まで悪化したりと見えないところだからこそのお悩みが非常にあります。見えないところを触るのは危険なことです。耳掃除や耳の中でお悩みのことがあれば耳鼻咽喉科で相談することをお勧めします。

院長あいさつ

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