ただいま28名のインフルエンザワクチンが入荷しました。
なお、当院は12/28が最後の診療となり、2週間後に接種はできないので本日の接種は一回だけの接種で済む13才以上の方に限定させていただきます。
そして「年末にむけてのご注意」です。
年末を控え、恐れていた事態が現実となりました。
それは「救急崩壊」です。年末年始というのはGWやお盆休みと違い、病院も「お休みモード」が1週間の長期にわたって続きます。この間は少ない人数で外来や病棟を回すのですが、人手が大変とられるコロナ対策のせいで普通の病気の対応が異常に手薄になっているのです。
救急外来がパンクしないためにはどうするか。「受診制限」になると思われます。これは救急外来を受診しても「診察する余裕がないので他をあたってください」と断られる状況です。ただし、年末年始はどこも手薄なので、結果「受診できない」「受診するのにものすごい時間がかかる」困った状況になるでしょう。
ここで、できることはただ一つ。年末年始は医療機関を受診しなくて済むような状況を12月28日まで整えることです。
例えば、アレルギー性鼻炎。患者さん的には花粉症と認識されていたりするのですが、急な冷え込みなどで鼻炎の症状がひどくなりそれを放置したりしていると、ちくのう症になることがあります。そうなるとものすごい頭痛がひどかったり、熱が出ることがあります。「発熱」は今医療機関が警戒する症状ですので、救急を受診できるかどうかすら微妙になってしまいます。しかしここで普段使っているアレルギー性鼻炎の薬をもらっておけばですね、最悪それを年末年始使うことでなんとかなります。1月4日以降は医療機関は通常モードに戻りますので、そこまで持ちこたえればもう大丈夫です。
そして、気を付けたいのが「急を要する病気」です。これには「命をおとしてしまう」病気と「治らなくなってしまう」病気があります。命を落とす病気は「のど痛」です。ただのばい菌が悪さするのどの腫れでも寒い季節は悪化しやすい。これがひどくなると緊急入院や緊急手術が必要になることがあります。のどの腫れがひどくて窒息しそうになったら「すぐに」手術をしないと死にます。そうならないためにも「たかがのど痛」と思わず今だけはすぐ耳鼻科を受診して「扁桃炎」になったりしていないかもチェックしてもらいましょう。
また、「治らなくなってしまう」病気には難聴になる病気や顔面の麻痺があります。具体的には「突発性難聴」や「顔面神経麻痺」です。突発性難聴も顔面神経麻痺もできるだけ早くステロイドホルモンという薬を使う必要があるのですが、ひどい場合には入院して点滴治療をしないといけません。症状が起こってから年末年始をはさんでしまったがために受診できず1週間以上たって年明けに受診しても治療はしたけどよくならなかったということになりかねません。特に突発性難聴は聴力を評価する必要がありますが、救急外来では聴力検査はできません。また顔面神経麻痺も麻痺が残るとそこから一生顔の動きが麻痺あるいは不完全な表情しかできなくなってしまいます。
だからこそ首から上の症状はすぐにでも耳鼻科を受診してきちんと検査や治療を受けることをお勧めします。
また気を付けなければいけないのは、病院は28日までしか開いていません。29日まで通常の診療をしている耳鼻科クリニックはたまにあったりしますが、受診はできても「病院の耳鼻科での治療はできない」、すなわち受診はしてもひどい症状であれば病院へ紹介できないのでお手上げなのです。さらにこのコロナ禍です。29日以降の「通常の耳鼻科診療がない状態」では耳鼻科の病気で病院へ紹介されてもどこまで治療が受けれるか自体が不透明です。
見通し暗い話ばかり書いてしまいましたが、1/4まで無事に過ごせればそこからは医療機関が普通に動き出すので心配ありません。気になる症状があればとにかくこの12日間の間に早めに医療機関を受診しましょう!