年齢があがってくると気になる難聴。
実際どれくらいの方が難聴になっているのかというと15.2%という試算があります。
6人に一人くらいです。
聞こえは年齢があがると低下してくる方が多いので、年齢があがってくると難聴になる方の割合も増えてきます。
難聴の程度は、少し聞き返すレベルから会話の内容がほとんど聴き取れない方まで様々です。
難聴の原因はいろいろあり、耳あかのみの場合もあれば滲出性(しんしゅつせい)中耳炎や真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎といった耳の中(中耳(ちゅうじ)といいます)に問題がある病気があり手術が必要な場合もあったりします。
その中で年齢があがってくることによる難聴は内耳(ないじ)といって、耳の神経に原因があります。これは音は聞こえていても言葉として聞こえにくく、特に周りで雑音がしているときの聞き取りが悪いという特徴があります。
そんな場合でもちょっとした周囲の配慮である程度聞き取りの改善は可能です。
例えば、その方に顔を向けてはっきりゆっくりしゃべる。周りの雑音を少し抑えて(例えば食洗機の音や洗濯機の音がしていればいったん中断するなど)会話をするなど。
難聴の方の多くは、補聴器を使うことで聞き取り力は向上します。
近年の研究では、高齢者の方で難聴を放置して聴き取れない状態でいることにより、認知機能の低下をもたらすとも報告されています。
QOL(生活の質)の向上のためにも補聴器を活用し積極的にコミュニケーションの手段を保つことは重要だと思います。
そんな補聴器ですが、うまく使うためには調整をしていく必要があるのですが、これが難しい。。。
耳あかがあっても補聴器は性能を発揮できません。
新たな取り組みとして、当院でもいよいよ6月から補聴器の相談や調整を始めることにしました。
具体的なことはまたブログや医院便りで報告していきます。
今回の文章は岡山大学耳鼻咽喉科 片岡 祐子先生の岡山県医師会報の「きこえと補聴器」から引用させていただきました。
片岡先生、ご厚意に感謝いたします。