睡眠時無呼吸症候群というのは、寝不足になるだけではなく、寝ている時に呼吸が十分に行われないため、体の細胞が酸素不足になります。この病気を放っておくと、心筋梗塞や脳梗塞といったコワイ病気になりやすくなったり、寝不足からクルマで事故を起こしやすくなる、集中力が低下するので仕事でミスを繰り返すといった困ったことがたくさんおこるのです。
この病気は患者さんの生活の質に大きな影響を与えるので、当院では検査や治療に力を入れています。
病院によっては入院しないと検査ができないところもありますが、当院では検査や治療は全てクリニックへの通院でできるようにしています。
睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、CPAP(シーパップ Continuous Positive Airway Presssure(経鼻的持続陽圧呼吸療法))という寝ている時に息の通り道を空気を送り込んできちんと確保する治療をします。これをすると、たちどころに無呼吸が改善するのです!
ただし、この病気の方は体重が増加が関係している場合が多いので、学生の頃に比べて体重が増加していれば、CPAPをしながら緩やかに体重のコントロールをしていくことが必要になります。体重が減っていって、再度無呼吸の検査をして無呼吸の状態が改善していれば、睡眠時無呼吸症候群の治療は終了となります。
と、こんな感じで治療していくのですが、困るのが体重が増加していないけど、睡眠時無呼吸症候群がある方やCPAPを装着して寝るのが不快、という方です。
こうなるとCPAPをいつまで続けるのか、あるいはCPAPなしでどう睡眠時無呼吸症候群を改善されるかという問題が出てきます。
その場合、口腔装置(Oral Appliance 略してOA)といって、ボクシングのマウスピースみたいなものを
歯につけて眠る方法があります。
これをつけると少し下あごが前に出るようになって、息の通り道が少し広がるというものです。
これはCPAPをつけている方でもCPAPから出る空気の圧力を軽めに設定することが可能になったり、旅先とかにもCPAPのような機械を持ち歩かなくて済むといったメリットがあります。
OA単独での無呼吸の改善はCPAPにはかないませんが、それでも全く何も治療を受けないよりははるかにましです。
睡眠時無呼吸症候群でCPAPを断念した方や無呼吸・いびきが気になる方は是非一度睡眠時無呼吸症候群の治療をしているクリニックで相談することをお勧めします!