先週ブログに書いた「首のぐり」、衝撃の展開が、、、
先週末に紹介状の返事が届きました。
それにはガンで手術を受けた患者さんが無事退院されたとありました。
この患者さんはちょっと前に首のぐりがあり紹介をした方でした。
それ自体はよかった、なんですが、
コワイのは、この患者さんが当院を受診される数ヶ月前に内科のクリニックを受診した後の展開です。
その内科のクリニックのお医者さんは岡山でも有数の総合病院の内科へ紹介したのです。
ここで、内科のお医者さんが耳鼻科のクリニックなり病院の耳鼻科へ紹介されたら完璧なんですが、内科が内科へ紹介するのはよくあることなんで、そこまでは想定範囲内。
問題はここからです。
その総合病院の内科のお医者さんは血液とかの検査をして原因不明と結論づけてしまったんですね。
なんで耳鼻科へ院内紹介していなかったのか?このレベルの病院で内科を張ってるんなら、首のリンパ腺にガンが転移しているかもしれない、あるいは首にぐりあるからよくわかんないけど、とりあえず耳鼻科へ話を振っておこう。こういう知識はあるだろうと思ってたので、ホントびっくりしました。
おっきな総合病院に勤めてたとしても個々のお医者さんがその病院の総合力を生かせなければ、宝のもちぐされ。
この方は当院の診察では、鼻からのどを調べる胃カメラのようなファイバースコープという検査では首のぐりの原因は見つからず、原因わかんない首のぐりとして紹介をしました。
そして総合病院の耳鼻科で詳しく画像検査をして初めて小さなガンが見つかった。
自分の科だけでなく他の科との連携も想定した診察の大切さを思い知らされました。
これを他山の石として、耳鼻科としては問題はなさそうだが、消化器内科的な病気が潜んでないか、実は虫歯が原因ではないか、はたまた、喘息が背景にあるのではないか、膠原病(こうげんびょう)というものすごいレアだけどやっかいな内科の病気なんじゃないか、低血圧からもとの病気が始まってるのかな?などなどアンテナをきちんと張って、自前で全て治したり結論づけることに捉われず、患者さんにとって一番いい結果(困っている症状が治る)になるような診療をしていきたいです。
また、病院へ紹介する場合には、なぜ紹介したかだけでなく、問題がなさそうなら院内紹介の形で○○内科へ△△病なども精査のために紹介をしてもらいたい、などより詳しくこちらの紹介した意図が伝わるような紹介状の書き方の配慮をしていきたいです。