首にぐりがある方はおられませんか?
これって何なんだろ?
どこ(何科)で相談したらいいんだろ?
まずここから悩まれるのではないかと思います。
まず首のぐりについて。
これはたちの悪くないもの(良性腫瘍)もあればガン(悪性腫瘍)もあります。
特に気を付けたいのが、痛みがない場合。
痛いのはばい菌が悪さしていることが多いので、逆にちゃんと治療を受ければそんなに時間がかからずに治る場合が多いです。
逆に痛みがない場合は、できものの可能性が出てきます。
そして要注意なのが、だんだん大きくなってきていたり、できものの数が増えている場合。
ずっと前からあったんだけど、なんか急に大きくなってきた。。。
こんな場合は良性腫瘍から悪性腫瘍に変化している場合があります。
「前からあって何も変わらない」から変な病気ではないとは言えないのです。
さらにこの「首のぐり」は何科を受診したらよいのか?
これは「耳鼻咽喉科」です。
耳鼻科といえば、耳や鼻、というイメージがあるかもしれませんが、耳鼻科は首から上を担当しているのです。脳味噌は脳外科、目玉は眼科ですが、目玉の周りとかは耳鼻科の守備範囲になっています。
そして、首のぐりで是非耳鼻科を受診してもらいたい理由が「ガンが転移しているぐり」の可能性があるからなのです。
この場合、ガンのもとはのどや口の中にあることが多く、首にぐりがあるからぐりをとって、検査してガンが出てきたからそこからもとのガンを調べましょとなったら、ぐりをとった時にガンを周りにばらまいていて、もとのガンを見つけて治療をしても命が助からない場合が多いのです。
このパターンは外科で多いです。
耳鼻科の場合は首のぐりは口の中やのどにガンがある場合がある、ということを知っているので、まず首のぐりをとって調べる前に鼻から入れる細いカメラ(胃カメラの小さいようなもの)でのどの奥まで調べます。
怪しいところがあれば、そこを組織をとって調べてガンがでればそのもとのガンを首のぐりと一緒にどういうふうに治療するのが一番いいか治療の計画を立てます。
もし怪しいところがわからなければ画像検査をしたりして、最終的には手術室で全身麻酔で首のぐりをとってその場で組織検査をしてガン細胞がもし出ればそのまま首のぐりの周りも一緒にキレイにする「頸部郭清(けいぶかくせい)」というリンパ腺を掃除する手術を引き続き行います。
ガンの中にはもとのガンがわからず転移したところしかガンが見つからない場合もあるので(「原発不明頸部転移ガン」といいます)。
そんな訳で首のぐりといっても、コワい場合もあります。
「前からあるから・・・」という方も、一度耳鼻科で相談を!