最近、Bスポット療法を希望される患者さんが増えてきています。
これは、鼻の奥(のどちんこの上)のところの上咽頭(じょういんとう)という部分の炎症(赤く腫れること)が原因で、後鼻漏(鼻水がのどの奥に流れていく感じ)がおこるような方が適応になるのです。上咽頭に塩化亜鉛液を咽頭けんめんしという器具を使って塗っていきます。
これ、すごい患者さんからもご好評をいただてるんですが、また、腎臓の病気(病巣感染といいます)にも効いたりするので、高知県や香川県や島根県からも来院されたりします(四国や山陰ではBスポット療法をしている耳鼻科がないので)。
そんなBスポット療法ですが、この症状にも効くんじゃないか?と期待されてこられる患者さんも結構おられるのです。
先日も非常に遠方から小学生のお子さんがちくのう症がよくならないので、これでよくなってくれれば・・・と来院されました。
小学生の方でちくのう症がよくならない場合、大人の方なら手術なんですが小学生の方は骨も発育途上ということで、高校生くらいまでは手術はしない方向で治療する医療機関が多いのです。
それで、この方も今はする治療がないといわれて来院されたのですが、Bスポット療法は後鼻漏でも「ちくのう症(副鼻腔炎)はない」ことが治療の前提になるのです。ちくのう症があればその治療をする、というのが本筋なので、この方も遠方から来ていただいてとても心苦しいのですが、このことをお話して、高校生までは近くの耳鼻科で鼻の症状が強くなるようであれば治療を受けるような近くの総合病院で聞かれた方針がいいのでは・・・ということでBスポット療法は行いませんでした。
できるだけ、患者さんの希望に沿いたくもあり、医療としてまっとうな診療もしたくもありこの板挟みは非常に悩ましいです。。。
これからも患者さんの立場により配慮できるように精進していきたいです。