補聴器店からダイレクトメール。
『「聞こえ」と「健康」のために両耳装用のすすめ』
いきなり思いっきり営業のフレーズ。
そもそも片耳でも高齢の方は補聴器を使うのに苦労することが多いのにさらにそれを両耳に。
どんなプッシュをしているのかというと・・・
『両耳装用だと・・・
言葉がより聞き取れます。
音の方向感が分かりやすくなります。
補聴器の音量を小さくでき、耳への負担が軽くなります。
騒がしい環境での会話がより聞き取りやすくなります。
言葉の理解力低下をより抑えることができます。』
音の方向感は片方の耳が反対側の耳に比べて聞こえが悪いとわかりにくいから、片方の耳につけて「音の方向感が分かりやすくなります」というのはわかるが、なぜ両耳につけたら分かりやすくなるのか・・・。謎。
「騒がしい環境での会話」はもともと補聴器の苦手とする分野。雑音が強調されてうっとおしいのがよりうっとおしくなりかねない。「騒がしい環境での会話がより聞き取りやすくなります」というのは言い過ぎでしょ。
さらにスゴイのが「左右の脳をバランスよく刺激」のフレーズ!
だからどうなの?みたいな。
とりあえずこのダイレクトメールだと両耳用に2台買うと最低でも45万円はするという、非常に商売的には美味しいですね。
お年寄りの難聴の1割は耳あか(やわらかい耳あかが主流のヨーロッパではなんと3割!)が原因といわれています。
お年寄りに限らず「最近急に聞こえが・・・」といって相談に来られた方でも結構な確率で耳あかが難聴の原因のことがあります。
「聞こえが悪いなぁ」と思った方はいきなり補聴器店に行くのはぜひ避けるようにしましょう。