年末に気をつけたい病気。
それは、扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)。
扁桃腺(郊外扁桃)が腫(は)れる扁桃炎は皆さん、ご存知の方も多いのですが、それがさらにひどくなり、扁桃腺から扁桃腺の周りまでばい菌が悪さをし始めると、この扁桃周囲膿瘍というのになります。
これは扁桃腺の周りに膿がたまる病気で、のどがとても痛くなり、時には耳の方まで痛みが起こったり、扁桃腺の周りにある筋肉まで腫れてきて動きが悪くなり口も開けにくくなったりすることがあります。
ここまでいったら、入院治療が必要になってくるのですが、気をつけたいのが、「呼吸困難」。腫れがひどすぎて、のどの奥まで腫れが広がって、息の通り道がふさがって「窒息死」する場合があるのです。
特に年末年始は救急外来では耳鼻科のお医者さんはいない(数が少ないので、救急外来にはいない)ので、きちんと診断して、きちんと治療をする(一番効果的なのは膿を取り除くために扁桃腺の周りの粘膜を1cmくらい切って膿を出すことなのですが、耳鼻科以外のお医者さんではできません)のは非常に難しいです。
最悪の事態になる(窒息死)のを防ぐためにも、のどが痛い・・・というようであれば早めに救急外来を受診しましょう。
また、とてものどが痛い・・・というので救急外来を受診する場合には、総合病院(済生会、日赤、川崎病院)の受診をお勧めします。
受診時にあまりにも重症な場合は救急の医師から耳鼻科の医師へ応援要請がいくようになっています(耳鼻科の医師は人数が少ないので、常時救急外来に詰めるのではなく、随時対応の形をとっています)。
また、運悪くひどい状態で入院した後、その後耳鼻科の医師が引き継ぐ、そういう形もあり、総合病院でないと耳鼻科の常勤医はいないので他の病院に行かない方が無難です。
ともあれ、のどが痛いな・・。という場合は早めに近くの救急外来を受診して年末年始の間、少なくとも悪化を防ぐようにしましょう。
特にのどが痛すぎて、かつ口が開けにくくなった、アナタ、速攻で総合病院の救急外来を受診することをお勧めします!