日経の1面の連載記事、「医出づる国」のタイトルが
「子供の風邪に薬はいらない」
カゼのお子さんに薬を出さない小児科医院の話なんですが、
実際、カゼで出る薬は意味のないものが多い。
カゼはウィルスでおこるのですが、ウィルスには効く薬はありません。
じゃあカゼ薬はなんなのか?
市販のカゼ薬でいうと、熱を下げたり、鼻水を止めたり、咳を止める成分が入っているだけなのです。
カゼは、食事や睡眠をしっかりとってやることが治る近道。
薬をのめば治るのが早くなる訳でもありません。
さらに話をややこしくしているのが、お医者さんのカゼの処方。
ウィルスで体が弱った時にばい菌が今度は体の中で悪さをすることを「二次感染」というのですが、この二次感染を予防するのにばい菌をやっつける抗生物質が処方される場合があります。
ただし、カゼをひけばいつも二次感染の可能性があるかというとそういう訳ではないのですが、なぜか「カゼですね~」といってこの抗生物質を処方するお医者さんが多いのです。
抗生物質は繰り返し使えば、抗生物質に死ににくくなる「耐性菌(たいせいきん)」というやっかいなばい菌を作りだすリスクが高まります。
この耐性菌は、普段の生活よりも緊急手術や緊急入院をするような時の治療で、ばい菌をやっつけたいときに「使える薬が殆どない・・・」という困った状況になるので、抗生物質は必要がなければのまない方がいいのです。
ただし、「カゼ」と思っていて、原因がウィルスでなくてばい菌なら、ばい菌をやっつけた方がいいので、抗生物質をのむのは理にかなっています。
皆さん、「カゼ」でいつも抗生物質が処方されていないか、特にお子さんがおられる方は1度ご注意を。